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【開催レポート】経営戦略においてテクノロジーが果たすべき役割とは - ON AIR #2 エンタープライズアーキテクト

update : 2020.11.05
text : subaru nakazono

Builders Boxが企画・運営する「Builders Box - ON AIR」は、世界で活躍できるエンジニアになるための知見を共有するイベント。2020年10月23日にその第二回をオンライン配信で開催いたしました。本イベントではAmazon Web ServicesのEnterprise StrategistであるGregor Hohpe氏が、優れたアーキテクトになるために必要なことを解説。そしてイベント後半では、NTTデータ 戦略統括本部 グローバル戦略室 課長の正野勇嗣氏が、アーキテクトに求められる要素やキャリアについて紹介しました。

オープニング 〜経営戦略におけるアーキテクトの重要性〜

開会のあいさつを述べたのは、Builders Box発起人でありSansan株式会社 CTOの藤倉成太。はじめに「日本のエンジニアリングが世界中で活躍できる未来をつくる」というBuilders Boxのコンセプトを紹介しました。

日本国内だけでなく世界中で使われるサービスを開発することは、エンジニアにとって非常に刺激的な仕事です。「せっかくエンジニアになったからには、そういうものづくりがしたい。日本でつくられたたくさんのサービスが、世界中で使われる世の中になってほしい」と藤倉はプロジェクトにかける熱意を語りました。

「Builders Box - ON AIR」第二回のテーマはエンタープライズアーキテクト。現在、経営戦略においてテクノロジーは欠かせないものとなり、アーキテクトが重要な役割を果たしています。本イベントのひとりめの登壇者であるGregor Hohpe氏は、エンタープライズのシステム設計の領域において長年活躍されている人物。藤倉が「私のバイブルです」とも語る、『Enterprise Integration Patterns』の共著者としても知られています。

ふたりめの登壇者である正野勇嗣氏は、国内において複数の大型エンタープライズプロジェクトにアーキテクトとして参加した経験を持つ人物。現在はNTTデータ 戦略統括本部 グローバル戦略室にて技術戦略の立案に携わっています。藤倉は両名の紹介をした後、オープニングを終了しました。

The Software Architect Elevator

次に登壇したのはAmazon Web ServicesのEnterprise StrategistであるGregor Hohpe氏。自身の著書である『The Software Architect Elevator』の内容をベースに、優れたアーキテクトになるために必要なことを解説しました。

Gregor氏はセッション序盤で「アーキテクトに求められる役割は時代とともに変化しています。その理由を理解するには、テクノロジーの役割が過去と比べてどのように変化したかを知ることが重要です」と提示し、テクノロジーが歩んできた道のりを振り返ります。

かつてテクノロジーが担っていた主な役割は、現実世界に存在するプロダクトや概念のコピーを生み出すことでした。例えば、カセットテープはCDに、手紙はeメールに、アナログ時計はデジタル時計に置き換わりました。私たちはこれらをデジタルコピーと呼んでいます。

ですが、テクノロジーの役割は徐々に変化し、デジタルコピーではなくデジタル“イノベーション”を生み出すようになってきたのです。これは既存のプロダクトや概念のコピーではなく、デジタルならではの価値を創出することを意味します。音楽においてはストリーミング配信が好例でしょう。ストリーミング配信は過去につくられたデジタルコピーとは異なる新しい体験をユーザーに提供しました。人々の音楽への関わり方を根本的に変えたのです。

デジタルコピーを作成する場合には、プロジェクトの成果物がどのようなシステムになるのか、いかなる機能を持たせるべきかを比較的容易に想像できます。人々はすでに、コピー元のプロダクトを利用したことがあるからです。一方、デジタルイノベーションはそうではありません。新しい体験を創出するという特性上、システム要件を定義する難易度は高くなります。

デジタルイノベーションのプロダクト開発においては、なるべく多くの試行・検証を行うことが成功の鍵です。そして、「検証のサイクルを高速に回すうえでは、アーキテクトの役割が重要」とGregor氏は説明します。いったい、それはなぜでしょうか。

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