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(前編)PdMやVPoEに求められるスキルとは? シリコンバレーで経験を積んだスペシャリストに訊く

update : 2020.12.10
text : subaru nakazono

PdM(プロダクトマネージャー)とVPoEはものづくりを支える重要な職務であり、エンジニアが目指すキャリアとしても有力な選択肢のひとつです。今回のインタビューは、そんな両職のスペシャリスト同士による対談をお届けします。

ひとりめのインタビューイーであるmetroly inc. CEO/CPOのケンワカマツ氏は、サンフランシスコでSalesforceやCisco、Adobeのプロダクトマネージャーとして多数のプロダクトを開発してきた人物。もうひとりのインタビューイーであるImgur, Inc. VP Product & Engineeringの稲山睦氏は、長きにわたりオンライン画像共有・管理サービス「Imgur」の開発をエンジニアとして支え、2018年にVPoE、2020年3月に現職へと就任した人物です。

おふたりは大学時代からの友人であり、過去には同じ企業で働かれた経験もあるとのこと。お互いをよく知る者同士、和やかな雰囲気で対談をしていただきました。本稿ではワカマツ氏と稲山氏に、プロダクトマネージャーやVPoEを担ううえで大切なことを伺います。

metroly inc. CEO/CPO
ワカマツケン(写真左)


米国カリフォルニア州オレンジカウンティで生まれ育ち、カリフォルニア大学バークレー校で文学の学士号を取得。Salesforceのサンフランシスコ本社でSales CloudやAI機能のEinsteinの開発に携わり、その後日本に出向。Cisco Systems、Adobe Inc.、Kodak、Macromediaで20年以上ソフトウェア開発に携わる。2020年にmetrolyのCEO/CPOに就任。現在、Sansan、Salesforceの顧問を務める。SalesforceではLightning for GmailやAI機能を、Adobe IncではAdobe 初となるiPhoneアプリのAdobe Photoshop Expressなど、ユーザーにとって直感的に使い易いプロダクトを発明。複数の特許を取得。

Imgur  VPP&E
稲山 睦(写真右)


千葉県茂原市出身。小学一年の時アメリカへ移住。ロサンゼルスで育ち、カリフォルニア大学バークレー校へ入学。専攻は生化学工学。卒業後、バイオテックのソフトを開発するベンチャー企業へ就職するが、2002年にインターネット・バブルが弾け廃業となる。その後、マクロメディア(現在アドビシステムズ)、コダック、フリッカー、ヤフーなどで勤務。2016年にImgurへ入社。2018年に同社のVPoEになり、2020年3月にVPP&Eとなる。「あしたのジョー」の大ファンで納豆が大好物。

プロダクトマネージャーとエンジニア組織が協力し合うために

−テック企業が良質なプロダクトを生み出すためには、プロダクトの機能や企画を考える役割と、テクノロジーを担う役割という両軸が必要です。プロダクトマネージャーは前者を、エンジニア組織は後者を担当するわけですが、両者がベストな状態で協力し合うためには何が大切だと思われますか?

稲山:何より大切なのは、両者の信頼関係を醸成して、適切に情報交換が行われる状態を生み出すことです。それができていなければ、両者の連携がうまく取れなかったり、開発したものがプロダクトの要件・要求に合わなかったりといった問題が起こりえます。

−メンバーとの信頼関係を築くために稲山さんが取り組んでこられたことはありますか?

稲山:なるべくメンバーと交流する時間を増やすように意識してきました。どんな開発チームにも固有の雰囲気や文化が存在しているものですが、メンバーと深く付き合わなければそういった要素は見えてきません。

−メンバーとの接点を増やすための具体的な方法はあるでしょうか?

稲山:プロジェクトを始める前に、チームビルディングのためのミーティングを開催することが多いです。何を目指すプロジェクトなのか、成功すればどんなビジョンを実現できるのかなどをメンバー全員と話して認識を合わせます。

それから、普段の会話のなかでどのような単語を使うかにも気をつかっています。プロダクトの要件を考える人々とエンジニアリングに携わる人々とでは、両者の持つ文化や業務内容が異なるため、日常的に用いる単語にも違いがあるケースが多い。メンバーとコミュニケーションをとる際には、相手が業務のなかでどのような単語をよく用いるのかを把握し、自分が話すときになるべく合わせるようにします。ちょっとした工夫ですが、これだけでも信頼関係が生まれやすくなるはずです。

ワカマツ:メンバー間の信頼関係構築は本当に大切ですね。私自身も、チームのメンバーと月1回くらいは1on1のミーティングを設定し、目指していることや抱えている課題などを情報交換するように心がけています。

シリコンバレーには、チームビルディングに力を入れているテック企業が多いです。前職のSalesforceでは、メンバーと業務以外の場でも交流をして信頼関係を構築する習慣がありました。みんなでセグウェイに乗ったりワインを飲みに行ったり、リムジンを借りて全員で出掛けたりと、いろいろなことを楽しみながら交流を図りましたね。

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